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アパイニNo.8バリアン

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バリでは病気になると、西洋医学ではなく漢方的なものや呪術的なものも含めた伝統的な治療法に頼る人が今でもたくさんいます。そんな治療を行う人々をバリアンと言います。バリアンは様々な病気を治すだけではなく、病気を作り出すこともできると言われており、それはバリアンの修行の過程で病気の原因を知ることにより初めて人々に治療を施すことができるという論理に基づいているからです。また、バリアンは神聖文字を熟知していなくてはいけません。治療に使われる様々なものは神聖文字やマントラと共に使ってこそ初めて効果があるからなのです。

APA INI豆知識!

バリアンは神様からのご神託を受けた人、そして自ら志してその道に入った人の2種類に分けることができます。

■自ら志してバリアンになった人=『バリアン・ウサダ』

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バリアン・ウサダは病気の症状や治療方法によって分かれる12のウサダに関するロンタル古文書の全てを読み、その道の勉強をして薬草、マントラ、水、火、油などを用いて治療を施します。(注:ウサダHusada=バリ語で薬の意)

*12種類のウサダ:ブラックマジックなどの治療をするウサダ・ブバイ、妊娠や子供の治療をするウサダ・ブリン、内科的な治療を施すウサダ・ダラム等。

■神様からのご神託でバリアンになった人=バリアン・パイチャ』

自ら進んで修行をしていた訳ではなく、ある日突然神様からのお告げでその道に入ったバリアン=バリアン・パイチャは石、木、宝石、クリスなど神様から授かったもので治療を施します。中にはバリアン・クタクソンというトランス状態に入って病気の原因や治療方法を告げるバリアンも。その中には薬草、マントラ、水、火、油などを使う場合もありますが、それらも自分の意志でなく、神様からのご神託によって告げられたものを使うのがバリアン・ウサダとの違いです。

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パワーストーンを扱うバリアンも多い

バリアンに診てもらいたい!

バリアンを訪れる際には、まずは家寺でお祈りをした後、チャナン・タクスと呼ばれる特別なお供え物にいくらかの気持ち(お布施)を添えて持って行くというのが本来の作法ですが、現在では一般的なチャナン・サリだけを持っていく人も。バリアンに診てもらい、病気や問題が解決した場合は、後日改めてお供え物に気持ちを添えてお礼に伺います。

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バリアンへのお供えとお布施

Writers Voice 求められ、尊敬されているバリアン

病院に行っても完治しない際には、最終的にバリアンに足を向ける人も多く、また周りの人に『もうバリアンには行ったの?』と言われることもしばしば。自宅から離れたバリアンを探すことも多く、それは自分の病気や悩みを身近な人々に知られないためだったりもしますが、すごい能力のバリアンがいると聞けばどんなに遠くても苦にならないからでもあります。しかもバリアンは『バリアンとしての知識や力を金銭を得るために使ってはならない』とロンタル古文書に明記されているため治療に対して自らお金を請求することは一切ありません。バリアンはバリ人にとって非常に身近であり、尊敬される存在なのです。

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●注:この記事の情報は地域によって異なることがあります。

Photo & written by CHIE